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'''T-SQUARE'''('''T-スクェア'''、ティー・スクエア)は、日本の[[フュージョン (音楽)|フュージョン]]音楽界を代表するバンドのひとつ。[[1988年]]までは、'''ザ・スクェア'''(THE SQUARE)の名義であったが、[[1989年]]より現在のバンド名で活動している。[[サクソフォーン|サックス]]や[[ウインドシンセサイザー|ウィンドシンセ]]を前面に出した、ときに激しく、ときに優しく奏でられるメロディアスな曲調は、国内外に多くのファンを持つ。[[ヴィレッジミュージック]]所属。最新作は、2008年5月21日発売の『Wonderful Days』。
 
'''T-SQUARE'''('''T-スクェア'''、ティー・スクエア)は、日本の[[フュージョン (音楽)|フュージョン]]音楽界を代表するバンドのひとつ。[[1988年]]までは、'''ザ・スクェア'''(THE SQUARE)の名義であったが、[[1989年]]より現在のバンド名で活動している。[[サクソフォーン|サックス]]や[[ウインドシンセサイザー|ウィンドシンセ]]を前面に出した、ときに激しく、ときに優しく奏でられるメロディアスな曲調は、国内外に多くのファンを持つ。[[ヴィレッジミュージック]]所属。最新作は、2008年5月21日発売の『Wonderful Days』。
  

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T-SQUARET-スクェア、ティー・スクエア)は、日本のフュージョン音楽界を代表するバンドのひとつ。1988年までは、ザ・スクェア(THE SQUARE)の名義であったが、1989年より現在のバンド名で活動している。サックスウィンドシンセを前面に出した、ときに激しく、ときに優しく奏でられるメロディアスな曲調は、国内外に多くのファンを持つ。ヴィレッジミュージック所属。最新作は、2008年5月21日発売の『Wonderful Days』。

歴史[編集]

1976年、当時明治大学の学生だった安藤正容(安藤まさひろ)によって結成。大学生のビッグバンド界で名を馳せていた伊東毅(伊東たけし)らが加入し、1978年にアルバム『Lucky Summer Lady』でデビュー。既存のジャズ・ミュージシャンやスタジオ・ミュージシャンらで構成されていた黎明期のフュージョン界に全くのメンバー全員新人として登場し話題を呼んだ。1980年代前半には、カシオペアとともに日本を代表するフュージョン・バンドに成長。

さらに、1987年に発売されたアルバム『TRUTH』のタイトル曲がF1グランプリ(フジテレビ系によるF1中継)のテーマ曲に使用され、より広く知られるようになった。同年、アメリカに進出し、アルバム発売とライブツアーをするようになる。しかし、アメリカで類似したバンド名があったため、かの地では「T-SQUARE」と名乗り、1989年より日本でもこのバンド名に改名して活動するようになった。

1991年にデビュー以来の主要メンバーである伊東が脱退する事態はあったものの、本田雅人の加入により人気は持続。以後しばらくは安定した活動がなされていたが、1990年代後半にメンバーの入れ替えが激しくなり、2000年にバンド形態を解消。安藤と脱退していた伊東のユニット形態に移行し、プロジェクト毎に国内外から様々なミュージシャンを迎えてアルバム製作、ライブ活動を行うようになる。この間、エイブラハム・ラボリエルネーザン・イーストヴィニー・カリウタトニーニョ・オルタドン・グルーシンジム・ケルトナーチャック・レイニーなどと共演している。

また2001年にはサイドプロジェクトとして、元ガンズ・アンド・ローゼズのドラマーであるマット・ソーラム、元オジー・オズボーン・バンドのベーシストであるフィル・スーザン、数々の映画音楽など手がけ、キーボーディストでもあるヴィンス・ディコラ、そして安藤とも親交が深いギタリスト、ダグ・ボッシらをメンバーに迎え、ハードロック・サウンドを追及したT-SQUARE Plusも結成している。

こうした流れの中、デビュー25周年の2003年にはアルバム『TRUTH』発表時のメンバーが「帰還限定」で再結成を果たした。それに伴いバンド名を再び「THE SQUARE」とし、1年間活動。その期間中、T-SQUAREと同じく日本のフュージョンを支えたバンドであるカシオペアとの初のジョイントコンサートも行っている。

そして、2005年からは前年のライブ活動でのパーマネントなサポートメンバー3人のうち、ベースの森岡克司を除いた2人を正式メンバーとしてバンド形態での活動を正式に復活させた(なお、ベース奏者は現在も正式メンバーではなくサポート扱い)。

2008年5月21日には、現在のメンバーに和泉宏隆、田中豊雪、則竹裕之、須藤満、宮崎隆睦を加えたT-SQUARE SUPER BAND名義で、デビュー30周年記念アルバム『Wonderful Days』を発売した。

現在のメンバー[編集]

メンバーの変遷[編集]

出来事 メンバー アルバム
1976年 結成 安藤まさひろ(G)、中村裕二(B)、
袴塚淳(Key)、原田俊一(Dr)
1977年 原田脱退
マイケル河合(Dr)、伊東たけし(Sax)、
御厨裕二(G)加入
安藤まさひろ(G)、中村裕二(B)、
袴塚淳(Key)、伊東たけし(Sax)、
マイケル河合(Dr)、御厨裕二(G)
1978年 袴塚脱退
仙波清彦(Per)、宮城純子(Key)加入
サポートとして鷺巣詩郎(Key)参加[1]
安藤まさひろ(G)、中村裕二(B)、
伊東たけし(Sax)、マイケル河合(Dr)、
御厨裕二(G)、仙波清彦(Per)、
宮城純子(Key)
Lucky Summer Lady
Midnight Lover
1979年 御厨脱退 安藤まさひろ(G)、中村裕二(B)、
伊東たけし(Sax)、マイケル河合(Dr)、
仙波清彦(Per)、宮城純子(Key)
Make Me A Star
1979年 河合、宮城脱退
青山純(Dr)、久米大作(Key)加入
安藤まさひろ(G)、中村裕二(B)、
伊東たけし(Sax)、仙波清彦(Per)、
青山純(Dr)、久米大作(Key)
Rockoon(1980)
1981年 仙波、青山、中村脱退
(複数のドラマー入替を経て)
清水永二(Dr)、田中豊雪(B)加入
安藤まさひろ(G)、伊東たけし(Sax)、
久米大作(Key)、田中豊雪(B)、
清水永二(Dr)
MAGIC
1982年 久米、清水脱退
和泉宏隆(Key)、長谷部徹(Dr)加入
安藤まさひろ(G)、伊東たけし(Sax)、
田中豊雪(B)、和泉宏隆(Key)、
長谷部徹(Dr)
脚線美の誘惑(1982)

R・E・S・O・R・T(1985)
1985年 R・E・S・O・R・T発表・ツアー終了後に長谷部脱退
則竹裕之(Dr)加入
安藤まさひろ(G)、伊東たけし(Sax)、
田中豊雪(B)、和泉宏隆(Key)、
則竹裕之(Dr)
S・P・O・R・T・S(1986)
1986年 S・P・O・R・T・Sツアー終了後に田中脱退
須藤満(B)加入[2]
安藤まさひろ(G)、伊東たけし(Sax)、
和泉宏隆(Key)、則竹裕之(Dr)、
須藤満(B)
TRUTH(1987)

NATURAL(1990)
1991年 伊東脱退、本田雅人(Sax)加入 安藤まさひろ(G)、和泉宏隆(Key)、
則竹裕之(Dr)、須藤満(B)、
本田雅人(Sax)
NEW-S(1991)

BLUE IN RED(1997)
1998年 和泉、本田脱退
宮崎隆睦(Sax)、難波正司(Key)加入
安藤まさひろ(G)、則竹裕之(Dr)、
須藤満(B)、宮崎隆睦(Sax)、
難波正司(Key)
GRAVITY
1999年 難波脱退 安藤まさひろ(G)、則竹裕之(Dr)、
須藤満(B)、宮崎隆睦(Sax)
Sweet & Gentle
1999年 松本圭司(Key)加入 安藤まさひろ(G)、則竹裕之(Dr)、
須藤満(B)、宮崎隆睦(Sax)、
松本圭司(Key)
T-SQUARE(2000)
2000年 則竹、須藤、宮崎、松本脱退
伊東たけし(Sax)再加入
(バンド形態を一時解消)
安藤まさひろ(G)、伊東たけし(Sax) FRIENDSHIP(2000)

GROOVE GLOBE(2004)
2005年 河野啓三(Key)、坂東慧(Dr)加入
(バンド形態の復活)
安藤まさひろ(G)、伊東たけし(Sax)、
河野啓三(Key)、坂東慧(Dr)
PASSION FLOWER

現在

評価[編集]

原型は安藤まさひろが学生時代に組んでいたカルテットであり、当時のメンバーもまたジャズ・シーンから中心に集まっていたが、デビュー前にはマイケル河合の加入、伊東毅の参加など既に幾多のメンバーチェンジを繰り返し、1978年のデビュー作『Lucky Summer Lady』の時点で安藤の楽曲も既に「メインテーマの後に延々とアドリブを繰り返し、締めにメインテーマを演奏」という今までのジャズ・フュージョンの楽曲スタイルやイージーリスニングのどちらにも属さない(今で言うリッピントンズのような)「スクェア・スタイル」を既に確立している。その後河合が脱退(CBS/SONYへ就職。後にプロデューサーとしてスクエアともかかわりを持つ)、音楽に合わせたメンバーの交替、伊東たけしのリリコン導入(安藤いわく「サックスにはきつい曲」を書いたことで導入する必要が生じた)などで、安藤・伊東の双頭体制が確立する。安藤の際限の無い趣向の拡大によるジャズ色の減退や、仙波清彦の当時奇抜とも思える邦楽のエッセンスやタモリのSE参加、ボーカルの導入などを揶揄され「典型的なフュージョン・ブームに翻弄された喫茶店で流れるBGM」などとの素人論評が多かった時期である。

その後、1982年アルバム『脚線美の誘惑』でキーボーディスト和泉宏隆が加入、流動的だったメンバーが固定(和泉は伊東に次ぐバンド在籍年数を誇る)。ロック・ポップス色を一貫したインスト・バンドに方向を固定すると、「スクェア的評価」を確立させバンド運営も軌道に乗っていく(このころいかにも「フュージョン的な評価」を得ていたのがカシオペアであり、須藤や則竹、本田など後期メンバーはカシオペアに憧れていたのは有名である)。そしてF1テーマ曲「TRUTH」はこのバンドの運命を良くも悪くも決定づけた。この曲によってフュージョン・シーン以外からも多くのファンを獲得していく一方、「スクェアにイメージされるものは『TRUTH』か、『TRUTH』に類似したドラマチックでハードな曲調なものばかりであり、フュージョンというジャンルが長年培ったバラエティに富んだ音楽性は見る影も無いマンネリなものだ」などと揶揄されるようになる。

実際には『S・P・O・R・T・S』では大胆にシンクラヴィアを導入し、「TRUTH」の親しみやすくスピーディなサウンドの秘密は当時アメリカでのソロ活動を模索していた伊東がソロアルバムで収穫したアメリカ西海岸の最先端の音色プログラミングをアルバム制作に生かした結果である。そして『Yes, No.』、『WAVE』のもう一つの目的は海外活動の布石のためのリサーチであり、その前2作を生かし『NATURAL』は一部楽曲のプロデュースをリッピントンズラス・フリーマンに依頼するなど、海外進出を睨みアルバム1作ごとにコンセプトを着実に拡大しながら緻密な音造りが取り入れられていた夢多くシビアな時代であった。ちなみに、「T」の字に赤い四角というT-SQUAREの現在のロゴは米CBSのデザイナーによるものであり、「T型定規」という意味やロゴの非常にクレバーな印象などから日本でも使われる事となった。

1991年、伊東がアメリカ西海岸に活動の拠点を移すことを宣言し脱退、サックス&EWIが伊東から渡辺美里などのサポートで活躍していた若手サックス奏者本田雅人に替わる(カシオペアも同時期メンバーチェンジを行っている)。交替後の数作は同じサックス&EWIがメロディを採りながらもそれまでのポップス色ではなく、本田が得意とするテクニカルなジャズ・ファンク色、ブラスロック等が主導権を握った。その後バンドはアルバム『HUMAN』で収束を見せ、CMにも取上げられるようなポップな路線の曲と個々の才覚が両立し充実さを誇った。しかし1998年、流麗なピアノで長年バンドを支えた和泉がピアノ演奏中心に活動を移すため脱退、才能を持て余していた本田も独立しバンドはかつてない危機を迎える。バンドはプロデューサー・キーボードに難波正司、サックスに宮崎隆睦を迎え、鮮やかに甦ったかに見えたが数ヶ月で難波は脱退、そして2000年、『T-SQUARE』を最後についにバンド形態を一旦解消することとなった。

タイアップ曲及び他のアーティストにカヴァーされた曲[編集]

TV番組・ラジオ番組のテーマ曲[編集]

※放送期間の一部に使用されていたものも含む。ただし、フレーズの一部を含む場合は一部割愛している。

CMソング[編集]

ゲームのテーマ曲[編集]

  • KNIGHT'S SONG(SCEIGRAN TURISMO』テーマ曲「MOON OVER THE CASTLE」のT-SQUAREヴァージョン)
  • Arc The Lad(シリーズを通して安藤まさひろが音楽を担当し、オリジナル・サウンド・トラックにはT-SQUAREのメンバーも多く参加している)

他のアーティストにカヴァーされた曲[編集]

  • IT'S MAGIC(ヴォーカルナンバーで作詞はLinda Hennrick。THE SQUARE版のヴォーカルはキャサリーンだが、マリーンがカヴァー)
  • 黄昏で見えない(松任谷由実が作曲、提供した曲。自身が歌詞をのせ、『幻の魚たち』というタイトルで小林麻美がカヴァー)
  • OMENS OF LOVE(松本隆が歌詞をのせ、『ウィンク・キラー』というタイトルで小泉今日子野村宏伸がカヴァー。なお「…いや、あれは何だったんでしょうか。ボーカルの音域ではないんですよ」と作曲者の和泉が後日コメントしている)

ディスコグラフィ[編集]

1978年のデビュー以来、オリジナルアルバムだけで40作品近くあり、企画ものアルバムや映像作品も含めるとさらに膨大な数になるのでオリジナル・アルバムと近作のみを表記する。

オリジナルアルバム[編集]

タイトル 発売年月日 品番
Lucky Summer Lady 1978.09.21 VRCL-2001
Midnight Lover 1978.12.21 VRCL-2002
Make Me A Star 1979.06.21 VRCL-2003
Rockoon 1980.04.01 VRCL-2004
MAGIC 1981.11.01 VRCL-2005
脚線美の誘惑 1982.11.21 VRCL-2006
うち水にRainbow 1983.05.21 VRCL-2007
ADVENTURES 1984.04.01 VRCL-2010
Stars and the Moon 1984.12.01 VRCL-2013
R・E・S・O・R・T 1985.04.01 VRCL-2014
S・P・O・R・T・S 1986.03.05 VRCL-2017
TRUTH 1987.04.01 VRCL-2055
YES,NO. 1988.02.26 VRCL-2021
WAVE 1989.03.21 VRCL-2024
NATURAL 1990.04.21 VRCL-2026
NEW-S 1991.03.21 VRCL-2030
IMPRESSIVE 1992.04.22 VRCL-2034
HUMAN 1993.04.21 VRCL-2037
夏の惑星 1994.04.21 VRCL-2039
Welcome to the Rose Garden 1995.05.21 VRCL-2042
B.C. A.D.~Before Christ & Anno Domini~ 1996.04.21 VRCL-2044
BLUE IN RED 1997.05.21 VRCL-2046
GRAVITY 1998.05.30 VRCL-2047
Sweet & Gentle 1999.05.21 VRCL-2051
T-SQUARE 2000.04.01 VRCL-2052
FRIENDSHIP 2000.10.18 VRCL-3333
BRASIL 2001.05.23 VRCL-3337
New Road, Old Way 2002.04.24 VRCL-3339
Spirits 2003.04.23 VRCL-3343
GROOVE GLOBE 2004.04.21 VRCL-10002
PASSION FLOWER 2005.04.20 VRCL-10004
BLOOD MUSIC 2006.04.19 VRCL-10007
33 2007.04.18 VRCL-10008
Wounderful Days 2008.05.21 VRCL-10011

品番はヴィレッジ・ミュージックより発売されている現行のもの。

近作(オリジナルアルバム以外)[編集]

  • セルフカヴァーアルバム『T comes back』(2004年)
  • DVD作品『CASIOPEA vs THE SQUARE THE LIVE!!』(2004年)
  • ライヴアルバム『CASIOPEA vs THE SQUARE LIVE』(2004年) … DVD作品とは別日収録の音源

脚注[編集]

  1. 鷺巣は正式メンバーではなく『Lucky Summer Lady』から『Rockoon』の時期にサポートメンバーもしくはアレンジャーとして関わっている。
  2. この当時のメンバーに河野啓三(Key)をサポートとして加え、「THE SQUARE」として2003年にカシオペアとジョイントツアーを行っている(日本での「T-SQUARE」への改称は1989年)。
  3. 伊東は、日本マクドナルドの「プレミアムローストコーヒー」と「プレミアムローストアイスコーヒー」のCMに出演。このCMはそれぞれ伊東たけし編と東儀秀樹編がある。「プレミアムローストコーヒー」CMでは両者が東儀作曲の『Keep On Moving』を演奏。「プレミアムローストアイスコーヒー」CMでは両者が伊東作曲の『Islet Beauty』を演奏した。

外部リンク[編集]